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最高裁判所第二小法廷 昭和49年(オ)717号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人山田利輔の上告理由について。

控訴審において係属中の反訴を追加的に変更するには、その請求の基礎が同一であり、かつ、これにより著しく訴訟手続を遅滞せしめれば、足りるのであつて、相手方の同意を要しないと解するのが相当である。所論反訴の各請求の基礎が同一であり、本件反訴の変更は適法である旨の原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。

上告代理人竹下伝吉の上告理由について。

原判決が引用した第一審判決理由中の所論の点に関する説示は、上告人が原審で補充して主張した各契約解除の主張に対する判断としてもなお正当として是認することができ、原判決に所論審理不尽の違法はない。論旨は採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小川信雄 裁判官 岡原昌男 裁判官 大塚喜一郎 裁判官 吉田 豊)

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